コラム

2019.10.29[大規模修繕]

大規模修繕工事における民法改正の影響

民法改正は有利?不利?

2020年4月1日に施行される民法改正。

債権関係を中心としたようですが、建築瑕疵についても関わる責任がどのように規律されるのか、見守る必要があります。

新築と改修で解釈の差はありますが、買主(ここでは管理組合様)にとって変わらぬ状況であるのか、有利・不利な法改正であるのか、注意が必要です。

分譲マンションにお住まいの皆様は言わば買主であり、その代表が管理組合であると言えるでしょう。

売主はマンションデベロッパーさん、マンション新築建設会社さんなどです。

改正前の民法には、売主の瑕疵担保責任なる条文が明文化されており、改正後は瑕疵担保責任に関する条文が削除されております。

改正後は新たに、契約内容不適合責任と呼び得る責任を規定しております。

それによると、

「引き渡された目的物が種類・品質又は数量に関して、契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の補修・代替物の引き渡し、又は不足分の引き渡しによる履行の追完を請求することができる。

ただし、売主は不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法とは異なる方法による履行の追完をすることができる。」

とあります。

大規模修繕工事で発覚する瑕疵

最近の改修工事で最も多い新築瑕疵責任は、外壁タイルの不具合ではないでしょうか。

築後わずか数年程度で、外壁タイルの大量浮きによるタイル剥落事故。

また、改修工事時に予想を大幅に上回るタイルの浮きによるタイル張替え事象。

上記の多くの事例は、第1回目のマンション大規模修繕工事、並びに改修工事の際に不具合が発覚します。

言わば土壇場に及んでの発覚なのです。

殆どの場合は、マンションデベロッパーさん又は新築建設会社さんが補償してくれますが、全くのゼロ回答の事象もあります。

裁判になることもしばしばです。

補償してくれたとしても、大規模修繕工事着手後の発覚ですと、大幅に増えるタイル張替え枚数によるタイル材の追加発注・納期の問題、作業量大幅増加による工期の延長など、様々な障害が降りかかってくるのです。

次回に続きます。

  • ご相談・お問い合わせはこちら
  • 電話相談初回無料 03-5711-7798 月~金 9:00~18:00