コラム

2019.10.18[大規模修繕]

屋上パラペットのアゴ裏が盲点?!大規模修繕工事における自然災害の備えとは

自然災害の恐怖

台風、大雨。

今年は例年に無く、台風による被害が大きく印象に残っています。

大型台風が9月・10月と、連続して関東一都六県を襲って行きました。

特に先の台風19号では、週末の夜にかけて首都圏の多くの河川が氾濫危険水位に達し、私も含め、河川の近くに住まわれている方々は、携帯の緊急速報が入る度に、心臓の止まる思いをされたことでしょう。

強風と豪雨が重なり合うと、通常の降雨とは全く状況が異なり、考えられない事態が起こってしまいます。

マンション最上階が漏水?!

例えば、雨は上から下へ雨水が落ちるものですが、それに強風が加わると、下から上へ雨が巻き込まれてしまう逆現象もあるのです。

この現象により、マンション最上階の居住者様宅が、漏水被害を受けてしまいます。

マンション屋上は通常陸屋根と言い、床は水平で平らです。

屋上床の外周には、ぐるりと四方高さ約30cmから40cmの壁の立上りがあり、その頂部にはパラペットと呼ばれる出っ張り状のアゴがあります。

新築時、屋上立上りとパラペット天端には防水処理が施されていますが、パラペットのアゴ裏、いわば屋上の床から見て天井にあたる見上げ部分は、コンクリート素地のままで防水処理は施されておりません。

このパラペットアゴ裏に強風・豪雨で巻き込まれた雨水が流れ込んで、マンション最上階の居住者様宅が漏水してしまうのです。

コンクリート自体には全く防水機能はありません。

大規模修繕工事の屋上防水

マンション大規模修繕工事・改修工事の際は、必ず現状の屋上パラペットのアゴ裏の状態を確認してみてください。

もし、コンクリート素地のままで防水処理が施されていない場合は、元請け工事業者さんに防水処理を実施してもらってください。

お客様本位の元請け会社であれば、その部分の防水処理は社内共通仕様になっていて、当たり前に施工する場合も多いです。

私個人の考えでは、屋上防水が工事範囲内であれば、基本として処置をすることが当然だと思います。

労働事故災害と同様に、予知・予防措置を事前に施していれば、被害を最小限に食い止めることが出来るのです。

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