2019.09.27[大規模修繕]
大規模修繕工事の保証
大規模修繕工事瑕疵保証
家電製品にも自動車にも当たり前のように付帯している保証書。
マンション大規模修繕工事・マンション改修工事にも保証はあるのです。
大きなものでは、第三者機関による大規模修繕工事瑕疵保証です。
これは、管理組合様が工事元請け会社に工事の発注をした際に、工事元請け会社が加入するもので、工事完了後、お引き渡し後に不具合があった場合の保証保険です。
不具合の代表例として、
- 各所漏水
- 外壁タイルの剥落
- 外壁塗膜の膨れ・剥がれ
- ベランダ、天井塗膜の剥がれ
等があります。
通常であれは、工事を請け負った元請け工事会社が、元請け責任として真摯に対応することが普通です。
しかし、
- 元請け工事会社が倒産してしまっていた。
- 十分な対応をしてくれない。
等の理由により、上記の不具合に対応出来ない場合が少なからず見受けられます。
工事元請け会社の保険加入は任意ですが、最近の流れとして、管理組合様が工事会社を選定する際に、大規模修繕工事瑕疵保証保険への加入が入札条件の一つとなっている場合が増えています。
管理組合様に保険料の負担はありませんので、工事会社選定の際には覚えておいた方がよいと思います。
もちろん保証期間は定められており、錆び等は2年、その他は原則5年、オプションで最長10年(防水)となっております。
似たような保険保証で、工事完成保証なるものもありますが、これは工事期間中の保証保険であり、完成・瑕疵両方をセットにしたものもあるようです。
材料に問題なし?
次に、各部位ごとに使用する材料の保証です。
例えば、塗装工事。
一般的に外壁だと5年、天井3年、鉄部2年等塗料メーカーによる機能保証です。
これらは、塗装メーカーと元請け工事会社との連名で管理組合様に対して提出する保証書となります。
ほとんどの場合、不具合が生じた際、材料メーカーは、「材料に問題は無い」と堂々と言ってきますので、結局は元請け工事会社が手直しをすることになります。
全ての材料メーカーには研究室があり、不具合発生箇所のサンプルを採取し、自社研究室にて調査分析してきますので、なかなか非を認めません。
というより、経験上ほとんどの場合、材料に不具合はありませんでした。
施工時の気温・湿度・大気汚染度等で品質は多少変わってきますので、使用材料の不具合を決定づける事は非常に困難なのです。
もちろん、全ての材料メーカーに当てはまることではなく、状況からそれぞれの専門部署が最終的に判断します。
いかに工事会社選定が重要か、ご理解いただけたと思います。
次回は、工事元請け会社による保証を含めたアフターサービスについて少しお話したいと思います。