コラム

2019.09.10[大規模修繕]

現場監督の仕事はベランダ掃除?! vol.2

優しい?厳しい?現場所長

前回の続きです。

後でわかった事ですが、ベランダに迎えに来てくれた職人さんは、防水屋さんでした。

300世帯のマンションは、当時としては大型物件でしたし、工事も中盤に差し掛かっていたので、ほとんど全工種の業者さんが入っていました。

行きに通って来た経路を逆に戻っているのですが、防水職人さんの後を追うのが精一杯で、気が付いたらマンションのエレベーターに一緒に乗っていました。

場内1階の仮設現場事務所に到着。

改めて、今朝4,5分顔を合わせただけの現場所長と再対面しましたが、外見からはどの様な方なのか、なかなか想像しづらい人物でした。

優しそうなのか、いや、厳しそうなのか、興味津々です。

するとその現場所長、私に向かって言いました。

「掃除道具どうした!?」

私が、

「掃除中のベランダ前の足場の上に置いてきました。」

と答えると(人のベランダ内に置いて行くよりはいいかと思ったのです)、

現場所長、

「なに!!足場の上?ダメだ、ダメダメ取って来なさい!」

と。私はびっくりしながらも、

「はい、取りに行きます!」

と答えましたが、ベランダへの経路がわかりません。

そこで職人さんに再案内を頼むと、職人さんはまた一緒に戻ってくれました。

大規模修繕工事の要、安全管理

取りに戻る途中で職人さんが、

「足場の上に物を置きっ放しにするのは良くないけど、あそこまで言わなくてもね。俺も気が付かなくてごめんね。」

と庇ってくれました。

実際、職人さん達も道具類は足場上に置いていましたし、コンクリート・モルタルガラも結構散見していました。

今では殆ど有り得ない光景ですが、当時は良くあることでした。

実際その時はよく理解出来ませんでしたが、現場所長は私に、工事現場で一番大切な「安全管理」を叩き込んだのだと思います。

高所に不要物を放置

   ↓

強風・人のつまずきなど不慮の出来事で落下

   ↓

事故発生!

高所に不要物があるのは危険な状態です。

・安全とは、危険が無い事

・危険な状態とは、不安定な状態

工事現場では、人も物も、不安定な状態が一番駄目です。

まさに、足場上に放置された掃除道具一式は、とても不安定な状態です。

外見からなかなか人物像が想像出来なかった現場所長は、「安全第一」主義のとても厳しい方でした。

しかし、その時の出来事が、私の現場管理業務に於いて、非常に重要なポイントになった事は間違いありません。

居住者の皆様への配慮

最後に、足場上に放置された掃除道具、該当ベランダの居住者の方が見たらどう思われるでしょうか?

良い気持ちになる方はおられないでしょう。

不安になられる方が殆どだと思います。

ただでさえ工事期間中、居住者の皆様は騒音等でストレスを抱えておられます。

居住者の皆様へ余計な心配をかけるような状態は、気持ちを不安定にさせてしまっている状態という事です。

我々は「安全管理」同様、最重要事項として、工事中、居住者の皆様に一切不安感を与えないよう、日々努力し、取り組んでおります。

ベランダ掃除 更に次回へ続く

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